企業においてクリーン化が求められる場合、部屋の一角に一定の清浄度を保った立方体のクリーン空間があればそれでいい…とはなかなかいかないのが現実。 設置する場所を考慮した形状、課題を解決するための機能、出入口を考慮したり、扱う製品や化学薬品の種類によって、材質や仕様、プラスの設備も考えなければなりません。
実際に現地へメーカーの担当者が訪問し、採寸や既存環境を確認したり、打ち合わせを綿密に行ったうえで、より適切なクリーンブースを設計・施工することで、クリーンブースが課題を解決し、中長期的なコストダウンにもつながるのです。
ここでは、さまざまな形状や仕様、機能をもつオーダーメイド(特注品)クリーンブースを手掛ける伸榮産業株式会社の施工事例を紹介しながら解説していきましょう。
光学機器メーカーでは商品開発において、光学機器が外乱温度に晒された際、具体的にどのような影響が生じる必要があるか調べる必要がありました。そのため、適切な条件でテストできる環境が必要となり、希望通りの空間が実現できそうなクリーンブース導入の依頼がありました。
外乱温度検査用クリーンブース/断熱ブース(清浄クラス10~100,000)
温度を適切にするにはブース内の気流をスムーズにする必要があったため、ブース内壁はフラットな構造にしています。これによって、クリーンブースでありながら、クリーンルームのような内部を実現。温度調整がしやすくなっています。
参照元:伸榮産業公式サイト(http://clean-booth.jp/showcase/)
化学メーカーでは、化学製品を開発するためにクリーンな環境を維持できる空間が必要ということで、クリーンブース導入の依頼を受けました。
パネル式クリーンブース(清浄クラス1000)
高いクリーン環境を維持できるよう「FFUを6台搭載」した、清浄度クラス1000のクリーンブースです。クリーンブースとしてはスタンダードな形状ですが、使用しているアルミフレームは自社開発製品の清潔感ある透明なオリジナル成型を採用。内部が見えるだけでなく美観性に優れており、空間の見栄えもよくしてくれます。
参照元:伸榮産業公式サイト(http://clean-booth.jp/showcase/)
プラスチック容器メーカーにおいては、成型機に異物が混入すると、成型品に不良品が出るという課題がありました。このような歩留まりを改善したいという要望により成型機を囲うブースを施工しました。
樹脂成型機用クリーンブース(清浄クラス10,000)
可動範囲の大きい成型機では、ブースは非常に複雑な形状になり、かつ、成型機の可動範囲を考慮した設計が必要になります。この事例では、メンテンナンスや金型を交換する際に、前面~天井を囲う扉が開閉できる構造になっています。
参照元:伸榮産業公式サイト(http://clean-booth.jp/showcase/)
施工例3と同じ業種のプラスチックメーカーにおいて、異物混入による歩留まりを改善したいという要望があり、成型機を囲うブースを設置しました。
樹脂成型機用クリーンブース(清浄クラス10,000)
成型機の可動範囲を考慮した形状に設計。カーテン部分はファスナーやマジックテープで加工してメンテナンスしやすい構造にしています。
参照元:伸榮産業公式サイト(http://clean-booth.jp/showcase/)
食品メーカーにおいて、製造工程で異物混入という課題を解決するためにクリーンブースの設置が必要となりました。
クリーンブース・エアシャワー(清浄クラス)
ブース内に大型装置を設置するために高さを確保。作業者の出入口とは別に、装置搬入出用の開口を設置しました。ブース前面開口部から装置を搬入出し、作業者の出入口にはインターロック機能付のエアシャワーを設置。エアシャワーを通ることで異物混入を防止しました。
参照元:伸榮産業公式サイト(http://clean-booth.jp/showcase/)
研究機関において、現在ある部屋をクリーン化し、さらに空調の効いた環境にしたいという依頼をうけて施工しました。
パネル式クリーンブース・精密空調機
部屋割りや間仕切りを工夫し、既存建屋内に大型クリーンブースを設置。ブース内のパーティションを有効活用し、天井を支える柱を排除。大面積のクリーンブースの場合、アルミフレームの長さに制限があります。一定間隔で柱を立てる必要があるため、ブース内の部屋割りや間仕切りを工夫することで邪魔な柱を立てずに施工できます。
参照元:伸榮産業公式サイト(http://clean-booth.jp/showcase/)
市立病院において、医師、看護師などの医療従事者を新型コロナウイルスやインフルエンザから守り、院内感染防止を徹底するための設備が必要とされていました。
陰圧クリーンブース ドクターバリア
ブース内部では医療従事者側を陽圧に、患者側を陰圧に隔離することで、医療従事者への飛沫感染を防止。また、ブース内部からの排気については「HEPAフィルター」を通すために、病院の診察室全体が清浄化されます。診察室のほか、コンテナやプレハブでも使用可能です。
「制電塩ビパネル」を採用しており、使用後にアルコール殺菌後をしても変色はしません。また、特注サイズにも対応が可能なため、さまざまなニーズに応えることができます。
医療従事者側からの要望により開発されたクリーンブースということもあり、診察室における医療従事者と患者の濃厚接触を防いでいます。
参照元:伸榮産業公式サイト(https://www.s-shin-ei.co.jp/case/products/a190)
伸榮産業のクリーンブースは、設計から製造・施工までの全てがフルオーダーメイド仕様となっており、クリーン度や風量、風向、温湿度管理などの指定が可能。床材、壁材、エアコンの有無、間取り、ドア・窓の配置についても要望を最大限に反映できるクリーンブースとなっています。
開発から製造、設計、施工まで自社で一貫。それだけでなく、多くの施工経験により蓄積された技術とノウハウがあるからこそ、短納期&コストダウンを可能にしています。
1967年創業。本社は大阪府大東市にあり、関東営業所を埼玉県さいたま市においており、全国対応。クリーン設備事業をはじめ、理化学事業、各種部材(プラスチック・金属材料全般)の加工と製造、販売を行っています。オーダーメイドのクリーンブース設置の実績を誇る企業ですが、簡易ブースも扱っており、柔軟な対応が可能です。
本社所在地 | 大阪府大東市諸福5丁目14-3 |
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対応エリア | 全国対応 |
創業年 | 1967年 |
事業内容 | クリーン設備事業、理化学機器事業、各種部材加工 |
公式サイト | https://www.s-shin-ei.co.jp/clean_booth.html |