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基本的なしくみと構造

クリーンブースの仕組みがどうなっているか分からないと、導入に踏み切れないと思います。クリーンルーム工事をしなくても大丈夫なのか、クリーンブースでも十分な清浄度を得られるのか心配でしょう。

このページではクリーンブースの基本的な構造と仕組みについて簡潔に解説します。

クリーンブースにおけるクリーン化のしくみ

クリーンブースはクリーンルーム内でさらに高いクリーン環境を得たい場合や、一般環境の一部だけ局所的にクリーン環境にしたいときに使用されます。

高性能のHEPAフィルターを通して異物を除去したクリーンな空気をブース内に取り込んで、クリーン環境を作り出しています。吸気は天井部に取り付けられたクリーンモジュールユニット(ファン、プレフィルター、HEPAフィルターで構成)から行います。

クリーンブースの場合は、周囲(塩ビ製カーテンなど)の下部から排気するのが特徴です。クリーンルームの場合は室内の空気を循環させるため、意図的な排気は行いません。

クリーンブースでもクリーンルームでも空気清浄化にあたってフィルターを通すので、クリーンブースだからといって高い清浄度が得られないわけではありません。

クリーン化を実現するためのポイント

クリーン化機器の設置

クリーン化を実現するためには、人間の注意だけでは不十分です。ゴミは目では見えないような小さなものもあり、どんな注意でも防ぐことはできません。そのためにエアシャワーや、クリーンルームのゴミを可視化できるクリーンルームライト、ミストストリームなどの機器が有効でしょう。見える化をすることで、微小なゴミも見逃さない対策ができます。

維持管理のための備品活用

クリーンルームを創るだけでなく、その状態を維持しなければ意味がありません。ワイピングクロスやクリーンワイパー、粘着ローラーなどのクリーンルーム専用の清掃備品を上手く活用することも大切です。ただ備品の使い方によってはクリーンルーム化を実現する上でのデメリットになることもあるので注意が必要です。

評価ツールによるブースの管理

クリーンルームを徹底的に管理するためには、環境に合った堆積状況の評価や除去が行えているかを確認することが大切です。浮遊している微粒子を測定するためのパーティクルカウンターを用いても把握することは難しく、清浄度・ゴミの付着などの状況が分からなくなってしまうことも。そのためにポラリオンライトや粗大粒子カウンターを活用するのも一つの方法です。

作業員への教育

どんなに優れた機器を導入したとしても、最終的には作業員の意識が最も大切です。作業員自身がクリーン化に参加しようと思う強い意識を持つ必要があります。ただ教育を行った直後は意識が高まりやすくなりますが、時間が経つにつれて意識も薄くなりやすいので注意が必要です。定期的に作業員への教育を行いましょう。

クリーンブースの方式

クリーンブースは気流方式により、大きく分けると「一方向流方式」と「乱流方式」の2つのタイプに分類できます。

一方向流方式では清浄な空気を一方向へ流します。設定基準となる換気回数は250~650回/時。室内圧力差は0.5~3mmAqとなっています。

一方向流方式のメリットは浮遊物がブース内に停滞しにくく、清浄度が高い点。また、汚染状態であっても回復が早く、運転とほぼ同時に定常状態にできるのもメリットです。さらに作業員数や状態に左右されずに高い清浄度を保つことが可能です。

一方向流方式の管理は比較的容易ですが、導入費用やランニングコストが高い点や工事難易度が高いうえブースの拡張が困難な点はデメリットといえるでしょう。

一方交流方式は垂直一方向流方式(ダウンフロー)と水平一方向流方式(クロスフロー)に更に分類できます。

ダウンフロー(垂直一方向流方式)

ダウンフローでは天井全面にフィルターを設置し、清浄な空気をブース内に送り込みます。送られてきた空気は床下へ吸いこまれるため、天井から床へと垂直かつ一方向へ空気が流れます。高い清浄度が期待できるため、半導体製造工程などで活用されています。

クロスフロー(水平一方向流方式)

クロスフローでは片側の壁面にフィルターを設置して清浄な空気をブース内に送り、向かいの壁面で吸い込みます。壁面から壁面へと水平かつ一方向に空気が流れます。クロスフローではとくに上流付近で高い清浄度を得られますが、下流付近では清浄度が低下します。上流と下流で清浄度が異なるため、局所的にクリーンな環境をつくりたいときに向いています。

乱流方式(コンベンショナル方式)

乱流方式は非一方向流方式とも呼ばれています。フィルターを天井中央に設置し、清浄な空気をブース内に送って他の天井面や壁面から吸い込む仕組みです。設定基準となる換気回数は10~80回/時、室内圧力差は0.5~3mmAq。清浄度クラス1,000~10,000に対応しており、多くの現場で導入されています。

乱流方式は導入コストが低いうえ、設置しやすい点がメリット。フィルターや空気処理が簡単で使いやすく、管理が容易な点もメリットといえます。また、クリーンベンチと併用すれば高いクラスの清浄度を実現できます。さらに設置後に規模を拡張することも可能です。

ただし、乱流によって空間の四隅に塵や埃などの不均帯が発生しやすく、定常運転までに時間を要するというデメリットもあります。また、作業員数によっては洗浄度が左右されるのもデメリットといえるでしょう。

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換気方法の種類

オールフレッシュ式

ファンフィルタユニットに外気を取り入れ、室内に清浄な空気を送り込む方法がオールフレッシュ式です。空調精度が高く有機溶剤が発生する場合でも使用できますが、フィルタを交換する頻度は高くなります。

また、導入費用やランニングコストが高い点はデメリットといえるでしょう。

循環式

外部から空気を取り入れるのではなく、室内の空気をファンフィルタユニットに吸気して循環させる方法です。導入費用やランニングコストは比較的安く、室内の粉塵が少ないほどフィルタの交換頻度は低くなります。

ただし、空調精度はやや低め。とくにドアの開閉が多いと外部からの粉塵侵入により復元性が悪くなります。

排気開口部の面積の決め方

一般的なクリーンブースの排気は床面との隙間や機器類の出口から行われていますが、排気開口部の面積は清浄な空気を保つうえで重要なポイント。

排気開口部が広すぎると排気風速は低くなり、換気能力が下がります。一方排気開口部が狭すぎると排気風速は大きくなるものの、埃などを巻き上げてしまう可能性もあります。そのため、クリーンブースの排気開口部の面積は通常1.5~3m/sec程度の排気風速になるよう設定します。

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設置に必要な機材(ファン・プレフィルター・メインフィルター)

クリーンブースへ清浄な空気を取り込んだり、吐き出したりするのに必要となるのがフィルター類です。クリーンルームやクリーンブースで使われるのはHEPAフィルターやULPAフィルターを内蔵したファンフィルターユニットです。

ファンフィルターは天井に取り付けることが多いため、軽量化と薄型化が進んでいます。また必要に応じてファンの前にプレフィルターやケミカルフィルターなどを装着することも可能です。

プレフィルターは外気取入口などに取り付けることで10μm以上の異物を取り除き、HEPAフィルターの負担を減らします。メンテナンスが容易で一般的な空調フィルターと同様に掃除機でゴミを吸い取ったり、水洗いしたりすることが可能です。

天井に取り付けるだけでなくパーティション型や床置型などもラインナップされているので、設置環境に応じて選ぶと良いでしょう。

フィルターの種類(HEPA・ULPA)

HEPAフィルター

HEPAはHight Efficiency Particulate Airの略称です。0.3μmの微粒子を99.97%捕集できます。プレフィルターのような清掃はできず、2~5年が寿命で交換となります。

HEPA(ヘパ)フィルターはJIS規格において「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ-」と決められています。

HEPAフィルターについて
くわしく

ULPAフィルター

ULPA(ウルパ)フィルターはUltra Low Particulate Airの略称で直訳すると「超低粒子空気」と訳され、HEPAよりも高性能なフィルターです。特殊ガラス繊維で作られていて、こちらも機能再生ができないのでHEPAフィルター同様2~5年で交換が必要です。

ULPAフィルターは「定格風量で粒径が0.15 µmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と定義されています。HEPAフィルターより捕集率が高いので、半導体製造現場で多く利用されています。

クリーンブース使用時の注意

暑さ対策

クリーンブース使用時の一番の注意点は暑さ対策です。

塩ビシートで構成されることが多いクリーンブースは、ほとんどの場合空調設備が無く温度の制御はできません。空調が行き届いたクリーンルーム内などに設置する場合やクリーンブース内に熱源がない場合であれば、それほど問題はないかもしれませんが、それでも暑さ対策は検討する必要があります。

クリーンブースを設置する目的や用途にもよりますが、安全衛生の観点からすると、室温はおよそ23℃、湿度は55%前後に保つのが一般的。夏場などの暑い時期にはエアコンを設置するなどして、空調管理を行うことが大切になります。

壁の強度に注意

クリーンブースの場合、壁と言っても塩ビシートですから強度はほとんどありません。 ちょっとしたことが原因で破れてしまいますので、クリーンルームの中にクリーンブースを設置して、安全性を確保しているところもありますが、強度は低いため使用する目的などに合わせて作業できるものを採用することもあります。

虫・ホコリの侵入を防ぐ

クリーンブースを使用する場合、特に食品製造業では虫の侵入などに要注意です。 もちろん、クリーンブースを使用するのは食品製造業や製薬会社、精密機器を製造している企業などさまざまですが、虫だけでなく下部からのホコリの侵入もありますので注意が必要になります。また、ものづくりの現場でしばしば問題になるホコリの付着は、静電気をなくすことで防ぐことができるので、静電気が発生しにくい環境も大切になります。

クリーンブースの管理方法

クリーンブースは、ホコリや虫、異物などを排除し清浄度を保つための空間です。 簡易な構造であるため、クリーンルームほど安定した清浄度はありませんが、手軽にクリーンな空間を得られるのがクリーンブースの特徴。比較的ローコストで清浄な空間を作ることができる設備ともいえますが、やはり定期的なフィルターの交換や設置場所を清潔に保つなど、しっかりと管理することが必要です。

クリーンブースの管理には、次の4原則が不可欠だといわれています。

4原則からもわかるように、利用する際のルールや手順を決め、作業者の意識を向上させる必要があります。また、扱う製品の種類によっては温度や湿度、静電気などの環境条件も検証しなくてはいけません。

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