クリーン環境を保つ方法には、ファンフィルターユニットを使用する方法とクリーンパッケージという空調機を使用する方法があります。HEPAフィルターは、JIS規格で規定されている高性能エアフィルターです。HEPAフィルターとはどのようなものか、フィルターの組み合わせや交換時期、メンテナンスなどを紹介します。
HEPAフィルターは空気中のごく小さな粒子を捕集できる高性能微粒子フィルターです。「粒径0.3㎛の粒子に対し、99.97%以上の捕集効率があり、初期圧力損失が254Pa以下の性能を持つエアフィルター」と、JIS規格により規定されています。
濾材は主にグラスファイバーで、不規則に折り重なっており、空気中の粒子が複数回濾材に遮られることで高い捕集率を実現しています。
HEPAフィルターだけでも高性能の捕集率を誇りますが、他のエアフィルターと組み合わせることにより、より高いクリーンな環境を保つことができます。
クリーン環境を保つためには、クリーンパッケージという空調機を使用する場合がありますが、この空調機の中には一般的に3つのフィルターが使われています。
まずはプレフィルターで粗い粒子を取り除き、HEPAフィルターの前に中性能フィルターでさらに細かい粒子を捕集します。3番目にHEPAフィルターで細かい粒子までを捕集して清浄度を保ちます。
クリーンルーム用のエアフィルターとして使用するHEPAフィルターの場合、吸気側の良い環境下では3〜5年、悪い環境下では6カ月〜1年での交換が目安です。
清浄度クラスや作業現場の周辺環境によって交換時期は異なるため、使用する環境で交換時期を判断しましょう。
1番外側のプレフィルターを週に1度程度掃除すると、中性能フィルターやHEPAフィルターの寿命を延ばすことができます。
交換時期の判断は、差圧計(吸気側と排気側の圧力の差)の表示が上がった時です。初期圧力損失の2倍を交換の目安にしてください。
エアフィルターのメンテナンスを怠ると、空気清浄度が低下し、製品品質まで低下したり、設備の故障、健康被害などといったリスクが高まります。
HEPAフィルターはクリーン環境を保つために最重要なフィルターです。HEPAフィルターは洗浄できないため、定期的にメンテナンスを行いましょう。フィルターの目詰まり状況に関わらず定期的に交換するのが最良ですが、メンテナンスによって寿命を長くすることができます。
そのためにはプレフィルターをHEPAフィルターの前に設置し、HEPAフィルターに到達する汚れの量を減らします。またプレフィルターをこまめに掃除することで、HEPAフィルターの寿命も延ばすことが可能です。
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