クリーンブースはホコリや塵、異物が入らないように局所的にビニールシートなどで仕切って、空気を綺麗な状態に保つための装置です。電子・精密部品や医薬品、食品、化粧品など幅広い業種で使用されています。クリーンブースを導入するメリットとは?設置するにはどんなことに注意すればよいのでしょう。
クリーンルームを導入するには設置費用がかかりますが、クリーンブースは部屋全体ではなく部屋の一部のみを局所的に空気を清浄化するためクリーンルームと比べると費用を抑えることができます。
クリーンブースには簡易クリーンブース、オーダーメイドなどの種類があり、簡易クリーンブースのように造りが簡単なものは一般的なクリーンブースよりもコストが削減できます。
組み立て式のクリーンブースであれば、メーカーの担当者に依頼しなくても設置できるため出張費や作業費も削減できます。
簡易クリーンブースは、支柱とUVビニールシートで組み立てられた簡単な構造になっているため納期も短いです。
導入側による組み立て式クリーンブースを購入した場合、注文後約1週間で届く場合もあります。
アルミフレーム加工製作ができる自社工場を持ち、設計・施工・メンテナンスまですべて自社でおこなっている会社で購入すれば納期も早いでしょう。
クリーンブースは天井に設置されたFFU(ファンフィルターユニット)で空気を取り込み、綺麗な空気をブース内へ供給し室内の空気を排出、空気を換気してクリーンな状態に保ちます。省エネタイプのFFUを採用すればACファンに比べて約半分の消費電力となります。
空調や送風を清浄度に合わせて細かく調整できるためコスト削減ができ省エネにもなります。
クリーンブースは製品を外部からのホコリや塵、異物などの侵入を防ぐため囲いで取り囲んでいます。大がかりな工事を必要とせず、簡易型はスペースも取りません。部屋全体ではなく必要なところだけクリーンな空間を設けることができます。製品の品質を保ち、手軽である、移動させやすい点もメリットだと言えるでしょう。
使用目的や業種によってクラスレベルは異なります。半導体工業1〜100クラス、電子部品・食品100〜100,000クラス、医療施設1,000〜100,000クラスです。クリーンブースは清浄度をクラス100から100,000まで調整可能ですので、ニーズに合わせて空調をコントロールすることができます。
夏は周辺の空調だけではクリーンブースの中まで冷房が効きません。また、近くの装置の輻射熱やクリーンブース内のモーターの排熱によりグリーンブース内が暑くなるなど、クリーンブースは周辺温度の影響を受けやすいため、夏と冬では温度差が大きく、1年中室内とクリーンブース内の温度を同じにするのは難しくなります。
解決するにはフロア空調機を利用することです。冷暖房の能力を上げたり、風向きをクリーンブースの方向に向けたり、快適になるまで温度や湿度を調整すれば周辺とクリーンブース内との温度差も解消されるでしょう。
クリーンブース内は人の出入りが激しく外気が入りやすくなるため、クリーンな状態を保つことができません。清浄度が悪くなるとフィルターが目詰まりします。
人の出入りを少なくするには、クリーンブースの出入口に前室を設置したり、外気が流れ込まないような形状に変更するといいでしょう。換気の回数を増やして、クリーンファンフィルタの風量を大きくすると清浄度も高くなります。
防塵服を着用したり、ホコリやゴミがつきにくい資材を使用したり、室内を整理整頓するなど、クリーンブース内にホコリやゴミを入れないように気をつけていても完全になくすことは不可能です。
室内を徹底的に掃除したり、換気をしたり、ホコリが発生しやすい箇所を排気するなどホコリやゴミを室内から排除しましょう。
クリーンブースは簡単に設置ができ、低コストで、納期が短く、省エネ・省電力、清浄度をコントロールできるといったメリットがあります。メリットだけに目を向けずに注意点もよく考えてから設置するようにしましょう。
下記ページではクリーンルームとクリーンブースのちがいについて解説しています。導入を検討されている方は参考にしてください。
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日本エアーテック
・医薬品製造工場の実績が豊富
・医薬品製造工場が多数ある中国・シンガポール・韓国・インドなど8つの海外拠点を持つ
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