クリーンブースとクリーンルームの違いを理解しないで導入すると、余分なコストが発生してしまう可能性があります。このページではクリーンブースとクリーンルームの違いを解説します。
クリーンブースは塩ビ製シートなどとクリーン化機器で構成されていることがほとんどです。クリーンブースは当初クリーンルーム内の一部のクリーンクラス(清浄度)を上げるために開発された製品でした。
現在ではクリーンルームほどのクリーンクラスは不要で、作業する一部のスペースだけ局所的にクリーン環境をつくり粉塵対策などを行いたいという要望に応えて導入されることが多くなっています。
可燃性ガスや揮発性の有機溶剤、粉体などを扱う危険な環境併せて、防爆クリーン環境を構築したクリーンブースの施工事例です。
クリーンルームはその名の通り部屋ごとクリーン化し、外部からの汚染を防ぐ目的で作られます。クリーンブースとは異なり部屋全体が遮蔽空間となるため、高いクリーンクラスを得られるのが特徴です。
また空調機能があることも特徴と言えます。空調機能があるため、作業者への身体的負担が少なく済むというメリットがあります。この調温調湿環境は、クリーンブースにおいても施工が可能になっています。
さらにひとつの部屋を密閉しているため外部から異物混入・侵入の恐れが低いことがクリーンルームの特徴と言えるでしょう。
ワークの塗装環境をクリーン化しすることで、歩留まり悪化防止を目的としたクリーンルームの施工事例です。
一般的にクリーンブースは壁材がなく、塩ビ製シートなどでつくられています。そのため強度は期待できず、基本的に空調設備がついていないため暑さ対策が必要です。また、下部から歩行虫や埃が侵入することも。
一方、クリーンルームは部屋ごとクリーン化していますから強度に優れています。また空調設備も備わっており、埃や虫などの異物が混入しにくい環境です。
クリーンブースに求められる役割は「局所的な作業環境における空気清浄化」です。そのため容易に設置でき、設置したい環境に合わせて導入できます。
一方、クリーンルームは「室内の空気清浄度を目的のレベル以下に管理する」という役割があります。高性能フィルターで室内の塵埃を除去し、陽圧ダンパーや断熱パネルなどを用いて外部からの異物混入を防ぎます。また、空調設備を備え、室内の温湿度を管理しています。
大きなメリットは、コストを抑えて導入できる点。設置が容易で一定期間の使用もできるため、用途に合わせて活用できます。また局地的なクリーン環境を実現でき、幅広いクラスの清浄度を実現可能な点もクリーンブースのメリットです。
一方デメリットとしてはクリーンルームと比較して強度が低く、異物混入のリスクがある・基本的に空調設備がないなどの点が挙げられます。
クリーンルームのメリットは高機能である点が大きなメリット。温調機能や断熱性能、差圧管理などが可能です。また、強度が高く異物侵入のリスクも低い点もメリットといえます。ただ導入費用が高く、ランニングコストや工期も必要になる点はクリーンルームのデメリットといえるでしょう。
クリーンブースはアルミフレームと必要資材で構成され、仮組み後に現地での最小限の組み立て作業のみで設置することができます。小さなものであれば、1日で設置完了することも可能で、導入が非常に簡単です。
クリーンブースは構造がシンプルで、清掃やフィルターの交換などのメンテナンス作業が容易に行えます。また、必要に応じて部品の交換や拡張も簡単に実施できるため、維持管理の手間を軽減できます。
クリーンブースは、必要なスペースのみをクリーン化することで、全体の設備投資と運用コストを抑えることが可能です。また、解体や移設が容易であるため、長期的なコストパフォーマンスも高いです。
クリーンブースは数メートル角のスペースに設置可能で、限られたエリア内で高度なクリーン環境を実現します。大規模なクリーンルームと比較して、より小さな範囲での運用ができるため、空間利用の効率を高められる利点があります。
クリーンブースとクリーンルームの違いを簡単にまとめれば、クリーンルームの局所版、簡易版がクリーンブースと言えます。クリーンルームにある空調機能と密閉状態を取り去って作るのがクリーンブースと言っても差し支えないでしょう。
またクリーンブースは塩ビ製シートなどであるのに対して、クリーンルームは断熱パネルが採用されている点も両者の違いと言えます。クリーンブースでもパネルタイプのものは多く、クリーンブースも種類や機能によってはクリーンルームに近い環境を作り出すことが可能です。
クリーンルーム程の広さは不要でもクリーンルームレベルの清浄度を必要とする場合には、パネルタイプクリーンブースの導入も合わせて検討すると良いでしょう。
クリーンベンチは清浄作業台とも呼ばれます。クリーンベンチを種類分けするなら、気流の流れで分別可能です。垂直層流型と水平層流型に大別できます。
多くのクリーンベンチが垂直型です。クリーンベンチには前面に上下スライド式のシャッターが備わっています。完成品の最終検査をするために用いられることがあるようです。また顕微鏡などの設備や殺菌灯を付属させるといったカスタマイズも可能。水平気流型は平面な物の検査や組み立てに用いられます。
さらに小規模なクリーン装置として卓上クリーンベンチもあります。設置スペースが取れない場合や移動させる頻度が多い場合などに、こちらも検討してみてください。
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