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クリーンブースの換気回数について

ここでは、クリーンブースやクリーンルームに必要な換気回数・頻度、換気回数と清浄度クラスの関係について詳しく解説しています。クリーンブースの導入や空調設計をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

換気回数・頻度とは?

クリーンルームやクリーンブースでの「換気回数(Air Changes per Hour: ACH)」とは、1時間あたりに空間全体の空気が何回入れ替わるかを示す指標です。たとえば10回/hであれば、1時間に10回、部屋の体積相当の空気が供給される計算になります。
実際には外気だけでなく、循環した空気も含まれる場合が多いため、「換気回数 = 外気導入量」とは限りませんが、清浄度を維持するうえで重要な目安となります。

なぜ換気回数が重要かというと、クリーンルームやクリーンブース内の空気を素早く循環・浄化することで、微粒子や埃、微生物などの滞留を防ぎ、安定した清浄度を保ちやすくするためです。

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クリーンルームにおける換気回数の目安

まずは、クリーンルームに必要な換気回数の目安を見てみましょう。クリーン度の違いにより回数は大きく異なります。なお、以下はあくまで参考値であり、実際の設計では運用条件や製品の種類によって最適解が変化します。

クリーンルームのクラス 一般的数値 USA209E規格 平均気流速度
クラス100,000 20~30回/h 20 0.005~0.041m/sec
クラス10,000 30~70回/h 75 0.051~0.076m/sec
クラス1,000 100~200回/h 150 0.127~0.203m/sec
クラス100 200~600回/h 250~400 0.203~0.408m/sec

参照:ORION公式HP(https://www.orionkikai.co.jp/technology/pap/degree/

数値を見ると、クラス1,000以下の環境では100回/hを超える高い換気回数が設定されていることがわかります。これは、電子部品や半導体など高度な清浄度を要する工程で必要とされるレベルで、クリーンブースでも同様の目安となる場合があります。

温度精度を維持するための換気回数

クリーン度だけでなく、温度や湿度といった環境要件を安定させるためにも、換気回数は重要です。下表は温度精度を維持する上での換気回数の目安です。

温度精度 ±2℃ ±1℃ ±0.5℃ ±0.25℃
換気回数 15回/h 30回/h 60回/h 120回/h

参照:ORION公式HP(https://www.orionkikai.co.jp/technology/pap/degree/

温度精度を追求するほど、空間全体の熱負荷や人・機械から発生する熱源を素早く搬出する必要があり、高い換気回数や空調設備が求められます。特に医薬品製造や精密加工の現場では、温湿度を厳密に管理するケースが多いです。

換気回数と清浄度クラスの相関性

上記の参考値から分かるように、求めるクリーン度が高いほど必要換気回数は大きくなります。たとえば「クラス100以下」という非常に高水準の清浄度を維持するには、毎時200回以上の換気が必要となる場合もあります。

とはいえ、クリーンルーム全体を完全なクラス100で保つのは大掛かりな設備投資となることが多いため、局所的な空間だけをダウンフロー方式で高い清浄度を保つといった手法も検討されます。そうした場面で活躍するのがクリーンブースです。

また、換気回数と同様、面風速(m/sec)の管理も重要です。いくら換気回数が多くても、実際に空気が流れる速度や方向が不適切であれば、汚染物質がブース内に滞留してしまう可能性があります。
ダウンフロー方式や水平一方向流方式など、流れが一定方向に整流される方法を採用し、かつフィルターユニットの配置や排気レイアウトもあわせて最適化するのが理想です。

面風速の目安

クリーン度の高い空間を実現するには、0.3~0.5m/sec程度の面風速が好ましいとされるケースが多いです。これは、微細な粒子が沈降・滞留する前に排出できる速度とされています。ただし、作業者の快適性・安全性にも配慮が必要で、風が強すぎると作業性に影響を及ぼします。

なぜ「換気回数」が重要視されるのか

クリーンブースやクリーンルームにおける換気回数は、単なる理論値ではなく、実際の製造品質歩留まり安全管理に直結する要素です。以下のような点で、換気回数の最適化が求められます:

ただし、過剰に高い換気回数を設定すると、空調コストや設備投資も増大するため、予算や運用面とのバランスを考慮しなければなりません。

クリーンブース導入のメリットと注意点

「高いクリーン度を必要とするが、クリーンルーム全体を改修するほどのコストやスペースは難しい」という場合、クリーンブースが有効です。
クリーンブースなら限られた空間だけを高い換気回数で維持できます。たとえば、クラス1,000相当のブースを簡易に設置し、特定の製造工程や検査工程だけ保護するといった活用が可能です。

一方、クリーンブースは構造的に簡易である反面、ブース内外の気圧差管理や、人の出入りによる気流乱れに弱い面もあります。非常に高いクリーン度(クラス100以下)を求める場合は、ファンフィルターユニットの台数増加多重カーテン構造など、追加の設計検討が必要になるかもしれません。

換気回数設定時にチェックすべきポイント

換気回数を増やすだけでなく、作業者動線出入口の設計エアシャワーの有無など、トータルで考えるのがおすすめです。

まとめ|清浄度・温度精度・換気コストのバランスが重要

クリーンルームやクリーンブースにおける換気回数は、清浄度クラスを左右するだけでなく、温度・湿度などの環境制御にも大きく関わる重要な要素です。クラス1,000や100,000程度なら比較的安定したコストで導入可能ですが、クラス100以下を目指す場合には、十分な設計と高性能フィルターの投入が不可欠となります。

また、実運用では換気回数だけでなく、面風速や気流方向、排気口・人の動線配置など総合的な空調設計が欠かせません。より厳密な運用が必要なら、やはり専門メーカーや空調設計のエンジニアに相談するのが近道です。

ぜひ、求めるクリーン度と予算・スペースを天秤にかけながら、最適な換気回数を検討してみてください。

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引用元:日本エアーテック公式サイト
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