精密機械や半導体、医療機器や薬品などの製品を製造する現場においては、空気中の不純物が混じってしまうと大変な影響を及ぼします。そのため現場では空気をきれいに保たなければいけませんが、目に見えない塵や埃、不純物などの微細な粒子は専門的な機器を用いて測定する必要があります。
ここでは、クリーンブースとセットで設置したいパーティクルカウンターについて解説していきます。
パーティクルカウンターとは、空気中や水中に浮かぶ塵埃・不純物などといった微粒子の数を測定する機械のことで、「微粒子計測器」とも呼ばれます。機械の中に空気や水の流れを作り、レーザーを当てることで微粒子の散乱光を測定し、粒の大きさや量が測れるようになっています。クリーンルームにおける評価項目に「浮遊微粒子濃度試験(清浄度)」があり、その性能評価を行うにあたってはパーティクルカウンターによる測定が必要です。
クリーンルーム・クリーンブース内における清浄度を保持するため欠かせないパーティクルカウンターですが、いくつかの注意点があります。たとえば、パーティクルカウンターでは「粗大粒子の堆積」はわかりません。多くのパーティクルカウンターの最大分級は5㎛(粗大粒子用の場合は100㎛)ですが、クラス1万のクリーンルームユーザーの場合には30㎛以上の粒径に悩まされることが多いです。粒子が大きいと異物の挙動が変わりますし、落下しきった粗大粒子はパーティクルカウンターで吸引することができなくなるため、留意する必要があります。
パーティクルカウンターはモデルによって吸引流量や測定できる粒子径の種類、対象となる空間の清浄度が決まっています。メーカーやモデルによっても条件の組み合わせに違いがありますので、まずは測定対象の清浄度をチェックし、そのあとに粒子径区分などといった条件を確認するようにしましょう。
適合クラスの次に大切なのが吸引流量と計測粒径区分です。サンプルから統計的に全体数値の予測を行う場合、可能な限り多くのサンプルを用意する方が精度は高くなりますので、パーティクルカウンターであればできるだけ多くの粒子を測定する方がいいといえるでしょう。
パーティクルカウンターは吸引する空気の中に含まれているパーティクルの数が多くなりすぎると、正確な測定ができなくなってしまいます。吸引流量に対して測定できる微粒子の数は「最大可測粒子濃度」によって表されますが、対象とする空気中の粒子が多すぎる場合には流量を下げて測定時間を長くするようにしましょう。
清浄度における管理(クラス)では粒子のサイズごとに上限の濃度が定められており、細かくなればなるほどより多くの粒子浮遊が許されることになります。必要以上に小さな微粒子を数えようとすると誤差が大きくなってしまうため、クリーンルーム・クリーンブースの使用より小さなカウンターは選ばないことをおすすめします。
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日本エアーテック
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