従来の考え方では、クリーン化とは、大きな空間を清浄空間として位置づけ、その中で作業を行うために必要である、というものでした。けれども、その後生まれた「局所クリーン化」という概念においては、局所という言葉が示すとおり、必要な場所やスペースだけ、その清浄度をアップするという考え方へと変化しています。
局所クリーン化の主な目的は、省エネ化や効率化、初期投資の削減などです。加工点・保管場所・搬送の合計3つのポイントにおいて汚染をしっかりと防ぐための管理が求められます。クリーンルームの場合もクリーンブースの場合も、管理上の注意点は同じです。
清浄化に対する汚染物は、肉眼で見ることは難しいため、気づかないうちに、かなり汚染が進んでしまっている場合も少なくありません。よって、管理には慎重さが求められます。
局所クリーン化という考え方ができた背景については、第二次世界大戦時代までさかのぼる必要があります。当時、アメリカで、粉塵の多い場所で製作が行われた航空機などの精密部品は、故障が相次いでいました。そこで、環境を改善すべく、粉塵が少ない場所で製作を行うように。これが、クリーンルームという概念の始まりであるとされています。
その後、クリーンルーム技術はアメリカで第2次世界大戦時に放射性微粒子除去用として開発された「HEPAフィルター」をベースに、アポロ計画や半導体技術とともに進化を続けています。その経過で、これまでのクリーンルームの中にさらにクリーン度をレベルアップさせたスペースを作るべく生まれたのが、局所クリーン化の技術なのです。クリーンブースも、そのひとつです。
ちなみに、半導体産業を中心に発展してきたクリーン化の技術は現在、さまざまなモノづくり現場において、必要不可欠な技術として導入されています。
局所クリーン化を実施する際に、重要となるポイントについてみていきましょう。
クリーンエリアの汚染を防ぐためには、開梱作業や梱包作業など塵やホコリが発生しやすい作業で使用するスペースを、製造エリアから分離する必要があります。また、清浄度が高くないゾーンからの空気移動を防止するためには、清浄度の高いゾーンを陽圧レベルとする空調管理を実施することが大切です。
クリーンルームの省エネ化については、構築段階で検討しておく必要があります。不要なスペースがある場合、管理コストがかかるばかりか汚染の原因を作りかねません。
省エネ化の代表的な方法として挙げられるもののひとつが、局所クリーン化です。また、気密性をキープしてくれる断熱パネルも省エネ化に役立つおすすめアイテムです。
構築の際には、できるだけリスクをおさえて工事を進めることが大切です。現場で起こりうる諸問題を管理できる、適切な施工管理が必要不可欠です。できれば、一貫した施工管理やその経験が豊富な業者に依頼したいところです。
局所クリーン化を行うのは、それによって得られるメリットがあるからです。主なメリットとしてあげられるのは、製品の質向上とコストダウンです。
生産現場の汚染を軽減することで、歩留まりや製品の質をアップさせることにつなげられます。局所クリーン化による現場体質の強化、ひいては競争力向上を実現することも可能です。
マーケット内での激しい競争を勝ち抜いていくためには、製造部門におけるコストダウンをはかる必要があります。局所クリーン化は工場空調エネルギーの削減などを可能にするため、コストダウンを実現しやすくなるわけです。
局所クリーン化を実施し、清浄さをキープしていくためには、以下の「クリーン化四原則」に従って維持管理をすることが大切です。
伸榮産業
日本エアーテック
・医薬品製造工場の実績が豊富
・医薬品製造工場が多数ある中国・シンガポール・韓国・インドなど8つの海外拠点を持つ
アズワン(AXLE)